スペインのスタートアップの盛り上がり（最新動向まとめ）

📈 資金調達の推移

• 2021年にスタートアップ投資額が約43億ユーロと過去最高に達し、前年の約4倍に。
• 2022年もほぼ同水準の約40億ユーロを維持。
• 2023年は世界的なVC投資の冷え込みを受けて約22億ユーロに減少。
• ただし、アーリーステージ（プレシード〜シリーズA）は依然堅調で、2019年以前と比べると高水準。

💼 国の支援政策（スタートアップ法など）

• 2022年末に「スタートアップ法」施行。税制優遇やビザ緩和、設立手続の簡素化が含まれる。
• 法人税率を最大4年間15%に軽減。
• 投資家の税控除枠を大幅拡充。ストックオプションの非課税枠も拡大。
• デジタルノマドビザにより外国起業家やリモート人材を誘致。
• 規制サンドボックスを全分野に拡張し、新規ビジネスの実験を促進。
• 政府系ファンド（ENISA、Next Techなど）による融資や投資制度が充実。

🚀 注目スタートアップ（最近頭角を現している企業）

• Luzia：AIチャットアシスタント。WhatsApp上で1700万ユーザー超。急成長中。
• Clidrive：自動車ローンのフィンテック。創業1年で黒字化し1000万ユーロ超の利益。
• Cocoon Bioscience：バイオタンパク質のサステナブル生産で注目。1700万ユーロ調達。
• Embat：企業の資金管理を自動化するフィンテック。2150万ユーロ調達。
• REVER：EC返品プロセスの自動化。物流領域の効率化で評価。
• その他、Samara（クリーンテック）、Bankflip（金融データ）なども急成長中。

🔍 盛り上がりの必然性・背景

• 人件費・地代が安く、生活環境が良好なため、起業や人材集積に有利。
• 政府による包括的な支援政策とビザ制度の強化により、国内外の起業家が活動しやすい環境に。
• 投資家ネットワークが拡大。海外VCや外資の存在感が年々高まっている。
• 大学・テックパーク・ビジネススクールとの連携により、起業人材の育成も進んでいる。
• マドリードやバルセロナを中心にエコシステムが多層的に構築され、スタートアップの成長に適した構造が形成されている。

スペインでは制度・コスト・人材の三拍子が揃い、「起業しやすくスケールしやすい国」として欧州内でも存在感を高めています。